スミレの季節にはまだ少し早いけれども、様子見がてら二十六夜山に行ってみた。
ふもとの月待ちの湯近くに車を止めて、登山口へ。午前中、家の整理をしていたら、到着はお昼過ぎになってしまった。
登山口から、落ち葉の中にヒキガエルがいた。
カエルは種類をよくわからないことと、調べてもヒキガエル以上の同定ができる気がしないので、これはこれで良しとしておく。背中にイボがあり、毒々しい見た目をしていた。
道中、何匹かのヒキガエルとその卵があり、カエルの住みかと化していた。
閑話休題、湿った環境の岩場にネコノメソウ属が咲いていた。
タチネコノメソウ Chrysosplenium tosaense
葉は互生で、花つきはまばら、ランナーもなさそうなので、タチネコノメソウではなかろうか。おしべが8つあり、きれいに咲いている。
そのまま歩いて行って、山頂まで行ったが、標柱の写真を撮り損ねてしまった。
下山も同じ道であったが、沢地形のところにイワボタンが咲いていた。数も少なく、個体も小さかったので、行き道では気づかなかったのだろう。よく見れば点々と咲いてはいる。
イワボタン Chrysosplenium macrostemon
ヨゴレネコノメやニッコウネコノメなど変種がいくつかあり、見分けが難しい。
観察した個体は、葯が赤色で萼片は黄色であり、ニッコウネコノメ C. macrostemon var. shiobarenseかもしれない。
下山すると登山口の広場あたりにマメザクラが咲いていた。
マメザクラ Cerasus incisa
マメというほど花は小さくなく、華やかな印象である。一方、樹高や葉は小さめであり、マメザクラの意味が分かりやすい。
葉は特徴的であるが、花も中々に特徴的だと思う。
萼筒は筒状で無毛だが、小花柄には毛がある。そこまで迷わない種だと思う。
この辺りでは、フジザクラと呼んで花見の資源として重宝されており、ときおり山で見るサクラだ。
下山後に温泉に入ろうとしたら、駐車場脇の生垣にスミレが咲いていた。
コスミレ Viola japonica
なんかつかみどころのないスミレ。比較していってコスミレだな~って感じ。変異が大きく、植物体全体の毛の量なんかも変わってしまうようだ。また、側花弁の基部に毛がないことも特徴であるものの、側花弁の基部に毛があるヒゲコスミレというものもある。東日本には無毛のものが、西日本にはヒゲコスミレが多いらしい。
もう少し経験を積んで種の特徴をつかめるようにしたいところだ。
この日は月待ちの湯で汗を流して帰路についた。
【参考にした図鑑等】
いがりまさし,1996,山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ,山と渓谷社,東京都