先日、甲府方面に用事があったので、花の様子を確認がてら武田の杜付近の遊歩道へ行ってみた。結果としては、花見には早かったのだが、こんなところにウラジロがあった。
ウラジロ Diplopterygium glaucum
常緑性のやや大型のシダである。正月飾りでよくみられるように一対の羽片を出している。
また、基部の方に前年以前の枯れた葉が見られる。
時期が時期なのでソーラスはなかったが、葉裏は帯白色であり、ウラジロの名の通り
小羽片の先は丸く尖らず、羽軸はやや赤みを帯びていた。
ウラジロは多年性のシダ植物であり、毎年一対の羽片を出しながら伸長し、大きくなっていき、冒頭の写真の様に段々に羽片は残存することで、特徴的な見た目になる。
3~4月が羽片を出す芽吹きの時期と思われるが、これから大きくなるだろう羽片が観察出来た。
最上段の羽片の間に小さな葉を出している。これが大きくなるのだろう。
林床や林縁に生育するとされるように、今回もアラカシの林床に生育していた。この他に小型の1個体を観察できたが、暖温帯の林床で群生しているような感じではなかった。
南部の方ならありそうだが、甲府のこのあたりにも生育しているのは初めて知った。
【参考にした図鑑等】
桶川 大作, 2020, くらべてわかるシダ, 山と渓谷社, 東京都